有機農業の実態と今後に向けて

有機栽培の実態

 令和3年5月に発表された「令和2年度 食料・農業・農村白書」の概要から有機農業の実態と目標について勉強しておく。2018年の日本の有機農業取組面積は2.37万haである。全耕地面積に対する割合はわずか0.5%だ。だが一応、2010年度の0.4%と比べれば増加傾向にある。

データ:

2010年度、有機JAS認証を取得している農地は0.94万ha、有機JAS認証を取得していないが有機農業がおこなわれている農地が0.73万ha、合計が1.67万ha。これは全耕地面積の0.4%。

2018年度、有機JAS認証を取得している農地は1.09万ha、有機JAS認証を取得していないが有機農業がおこなわれている農地が1.28万ha、合計が2.37万ha。これは全耕地面積の0.5%。

「みどりの食料システム戦略」によると、2050年までに目指す姿として、有機農業の取組面積を100万haに拡大する。これは全耕地面積の25%となる。

一向に拡大しない面積

 この実態と目標は、いろいろな意味でびっくりしてしまう内容だ。まず、相変わらず普及率が低すぎる。耕地面積全体に対する0.5%で、有機JAS認証を取得しているものはさらにその半分だ。いろいろな理由がある。まず前提として、日本は温暖多湿で有機農業で綺麗で虫の喰わない農産物を育て上げることが難しい。そして、慣行栽培の基準が他国より厳しく、消費者の農薬に対する不信感がそれほど深刻でない。

非現実的な目標値

 次に目標値の非現実性だ。2050年まであと30年弱だが、2010年から2018年の8年間で0.1ポイントしか上昇しないものが、なぜ25%に拡大できるのか。実現可能性の根拠を知りたい。食料自給率の問題といい、農林水産省が掲げる計画・目標はまったく絵に描いた餅だ。あまりに現実性がなさすぎる。

それでも拡大すべき

 それでも、有機農業の拡大は大切だ。それは、有機農業が農産物の安全性よりも、土壌、水質など、生物が生きるための国土環境を保全する効果があるからだ。それゆえに、実効性のある数値目標とそれに見合った行動計画が求められるのである。