地震、雷、雨、マツタケ

能登の地震で淡い期待

 9月16日の夜6時40分過ぎ、能登地方を震源とする地震があり、石川県珠洲市では震度5弱を観測した。その後の様子では幸いにも目立った被害はないようである。能登の穴水町にあるわが社の直営農場も問題なしとのことで胸をなでおろした。もし甚大な被害が出ていたら不謹慎で書けないが…
今年は地物のマツタケが期待できる!と思う。

マツタケ発生の条件

 一説に、次のような条件が整うと松茸が大量に発生すると言われる。
1)山に適度に雨が降る
2)朝夕の涼しさが増す
3)地震や強風で木が揺らされる
4)雷が落ちる

科学的根拠は?

 1と2は菌茸類の発生として〝さもありなん〟だが、3と4はどの程度の信憑性があるものか。木が揺さぶられると菌が刺激を受けてニョキニョキと…、雷が落ちると木と菌が帯電してニョキニョキと(?)…。そこに科学的根拠があるのかないのか、私は知らないが、今まさに、豊作の条件はそろいつつある。1)から3)はクリアした。今日18日の晩には台風14号の影響で雷が起きる可能性も大だ。

地物豊作に期待

 松茸は栽培することができない。しかも今季、輸入物にはどうも期待が持てないようだ。カナダやアメリカは干ばつで不作とのこと。また中国は国内需要が高まっており、日本には少量しか入ってこない。本当の優良産地は北朝鮮だが、当然のごとく今は輸入できない。したがって望みは国内産である。特に地元石川県産はやはり風味が格別だ。コロナ感染はようやく下火になり、9月末日をもっておそらくまん延防止処置は解除されるだろう。暗い世相が続くなか、せめて家庭の食卓や外食産業で明るい話題がほしいものである。

自民党総裁選開幕

9月17日告示、29日投開票

 自民党総裁選が17日に告示され、河野太郎、岸田文雄、高市早苗、野田聖子の4人が立候補した。29日に投開票され、新しい総裁が決まる。国会議員383票、党員・党友383票を争い、1回目投票で誰かが過半数を獲得すればその場で決定、誰も過半数に届かなければ上位2人で国会議員383票と都道府県連47票で決選投票し、票数の多い方が新総裁となる。

空前の盛り上がり

 今回の総裁選は空前の盛り上がりを見せている。菅総裁の突然の辞意表明で自民党の勢力図がグラグラと揺らぎ、すぐに控える総選挙を見据え、新しい自民党のリーダー選びが俄然注目を浴びてきた格好だ。従来の派閥争いという自民党のお家芸はかなり様相を変えてきている。

展望

 総裁選でいち早く動いたのは岸田文雄だ。安倍路線の継承と二階降ろしで一躍スタートダッシュした…かに見えたが、安倍晋三の高市支持、菅首相の不出馬表明以降、かなり調子が狂った感あり。しかし、二階派を除く幅広い層から支持を得ており、依然として有力候補であることには間違いない。
 世論調査で最も人気が高いのは河野太郎だ。自民党内では若手国会議員の支持も強い。下馬評では現在のところ最優良候補だ。だが石破茂と小泉進次郎が支援に付いたことが吉と出るか凶と出るか。また原発や皇位継承問題で主義主張を路線変更したのではないかとの批判にどう応えるか。1回目の投票で過半数を取って決めてしまいたいとの目論見か。
 ネットで人気あるのが高市早苗だ。保守本流の国家感、サナエノミクスと銘打った経済政策を真正面から打ち出している。保守系の言論人からの支持が絶大だ。安倍晋三がバックについたのも強み。だが一方では保守色があまりに強すぎてリベラル系が最も警戒する人物でもある。
 20人の推薦人を集められないだろうと言われていたが最後に滑り込んできたのが野田聖子。夫の出自問題で爆弾を抱えるが、彼女の出馬により総裁選の票が割れ、展開が大きく変わるのではと言われている。
 これから2週間は自民党総裁選一色になる。日本の将来を大きく左右する選挙戦になる。十分な政策論争を期待したい。

推薦人名簿の記録

河野太郎の推薦人名簿

【衆院】伊藤達也(無派閥、東京22)、坂本哲志(石原派、熊本3)、阿部俊子(麻生派、岡山3)、穴見陽一(細田派、大分1)、伊藤忠彦(二階派、愛知8)、石原宏高(石原派、東京3)、上野賢一郎(石原派、滋賀2)、岡下昌平(二階派、比例近畿)、田中良生(無派閥、埼玉15)、平将明(石破派、東京4)、高橋比奈子(麻生派、比例東北)、武村展英(無派閥、滋賀3)、野中厚(竹下派、埼玉12)、古川禎久(石破派、宮崎3)、宮崎政久(竹下派、比例九州)、義家弘介(細田派、神奈川16)
 【参院】島村大(無派閥、神奈川)、園田修光(無派閥、比例)、中西健治(麻生派、神奈川)、山下雄平(竹下派、佐賀)

岸田文雄の推薦人名簿

【衆院】鈴木俊一(麻生派、岩手2)、根本匠(岸田派、福島2)、石田真敏(無派閥、和歌山2)、大野敬太郎(無派閥、香川3)、加藤鮎子(無派閥、山形3)、梶山弘志(無派閥、茨城4)、鈴木隼人(竹下派、東京10)、高木毅(細田派、福井2)、土屋品子(無派閥、埼玉13)、西銘恒三郎(竹下派、沖縄4)、堀内詔子(岸田派、山梨2)、本田太郎(無派閥、京都5)、山際大志郎(麻生派、神奈川18)、吉野正芳(細田派、福島5)、渡辺博道(竹下派、千葉6)
 【参院】猪口邦子(麻生派、千葉)、今井絵理子(麻生派、比例)、二之湯智(竹下派、京都)、宮本周司(細田派、比例)、森雅子(細田派、福島)

高市早苗の推薦人名簿

【衆院】西村康稔(細田派、兵庫9)、古屋圭司(無派閥、岐阜5)、馳浩(細田派、石川1)、山口壮(二階派、兵庫12)、江藤拓(無派閥、宮崎2)、城内実(無派閥、静岡7)、高鳥修一(細田派、新潟6)、木原稔(竹下派、熊本1)、黄川田仁志(無派閥、埼玉3)、石川昭政(無派閥、茨城5)、小林鷹之(二階派、千葉2)、佐々木紀(細田派、石川2)、小林茂樹(二階派、奈良1)
 【参院】衛藤晟一(二階派、比例)、山谷えり子(細田派、比例)、片山さつき(二階派、比例)、青山繁晴(無派閥、比例)、山田宏(細田派、比例)、佐藤啓(細田派、奈良)、小野田紀美(竹下派、岡山)

野田聖子の推薦人名簿

【衆院】大岡敏孝(二階派、滋賀1)、神谷昇(二階派、比例近畿)、川崎二郎(無派閥、比例東海)、木村弥生(無派閥、比例近畿)、出畑実(二階派、比例南関東)、渡海紀三朗(無派閥、兵庫10)、浜田靖一(無派閥、千葉12)、百武公親(竹下派、比例北関東)、福井照(二階派、比例四国)、宮路拓馬(石原派、比例九州)
 【参院】三原じゅん子(無派閥、神奈川)、渡辺猛之(竹下派、岐阜)、岩本剛人(二階派、北海道)、清水真人(二階派、群馬)、柘植芳文(無派閥、比例)、鶴保庸介(二階派、和歌山)、徳茂雅之(無派閥、比例)、三木亨(二階派、比例)、元栄太一郎(竹下派、千葉)、山田俊男(無派閥、比例)

VUCAとOODA ~ブーカとウーダ~

ブーカ時代とウーダループ

 今日、PHP金沢経営者友の会の例会に参加してきた。そこで(株)清幸の上田社長からVUCA(ブーカ)とOODA(ウーダ)がこれからの時代のキーワードであるということを習った。以下、概要を記録する。

VUCA(ブーカ)とは

 現代は先行きが不透明で、将来の予測が困難であり、こうした時代を「VUCA(ブーカ)時代」と呼ぶ。
・V(Volatility:変動性)
・U(Uncertainty:不確実性)
・C(Complexity:複雑性)
・A(Ambiguity:曖昧性)
VUCA時代には想定外の出来事が次々と起こる。よって将来の予測は常に困難である。新型コロナウイルスの流行や異常気象による突発的な災害など予測困難な事象は次々に起こっており、従来からのPDCA(計画を立て、それを実践し、検証し…を繰り返す手法)だけでは対応が難しくなっている。

VUCA時代を乗り切るために

 ではどうするか。それは常に情報収集に全力を尽くし、その都度、最適な行動に迅速に移ることを繰り返すしかない。そこで登場したのが新たな意思決定方法「OODAループ」である。これは業務改善の手法PDCA(計画、実行、評価、改善)に代わる手法だ。

OODA(ウーダ)ループとは

 最初に計画することから始めるPDCAと違い、OODAループは観察と状況判断から始まり、そしてそのフェーズを重視するという考え方を取る。
・O(Observe:観察する)状況をよく観察し、データを収集する
・O(Orient:状況を理解する)データを基に、何が起きているのかを理解する
・D(Decide:決める)理解した状況に対し、具体的なアクションプランを決定する
・A(Act:動く)プランを基に、実行に移す
・その4段階を繰り返してループさせる

OODAループが注目される理由

 何が起こるか予測不可能なVUCA時代には、物事を計画通りに行うことは難しい。臨機応変に現場で状況を的確に判断し、柔軟に対処することが求められる。個人でその思考習慣を身に着け、チームや部署、会社全体でOODAループを実行する姿勢が今後重要になる。

スマートウォッチ凄げ〜!

HUAWEI Watch GT2e 46mm

 永年使っていたGARMIN(ガーミン) fenix
6が、ランニング計測でよくフリーズする(画面が固まり、全く動かなくなる)ようになった。そろそろ替え時と思い、あれこれ物色した結果、「HUAWEI(ファーウェイ)
Watch GT2e 46mm」を購入した。アマゾンで17000円台。腕バンドをちょっと高級感のあるものに別買し、合計で丁度20,000円となった。

HUAWEIと個人情報

 HUAWEIはアメリカから制裁措置を受けたことで俄然有名になった。自分の個人情報が中国にダダ漏れになったらどうしようとの思いがよぎったが、その個人情報にいかほどの価値があるかを考えたとき、不安を感じることの無意味さを笑うしかなかった。

驚きの高機能

 このスマートウォッチの高機能には驚くばかりだ。省電力のため、腕をかざした時だけ画面が付く。画面には時間、歩数、脈拍、天気、バッテリー残量、ストレス度、本日の消費カロリーがリアルタイムで表示される。GPSを利用して100種類の運動を計測できる。高度、気圧、コンパスも表示可能。血中酸素の計測ができる。スマートフォンと連動し、着信通知、メール・ライン通知、最大500曲の音楽保存再生ができる。普通に使っていれば電池は2週間持つという。

睡眠モニタリング

 中でも一番感心したのは、睡眠モニタリング機能である。腕に付けたまま寝ると、スマートフォンにて睡眠の分析が表示される。
・睡眠時間の計測(就寝時間、起床時間)
・睡眠ステージと長さの計測(浅い睡眠、深い睡眠、レム睡眠)
・睡眠の中断(途中の目覚め)回数と長さの計測 etc.
これが素晴らしく精度が高い。光学式心拍計によって睡眠状態を計るらしい。私の場合、深い睡眠が足りていないという計測結果が出た。生活習慣を改善することで、眠りの質を向上させられれば、非常に有意義だ。

スマートウオッチは健康器具である

 私にとってはランニング計測がウマートウォッチ購入の一番の理由であるが、それ以上のトータルヘルスケアにとても有効であることがわかった。2万円で健康が手に入れられると解釈すれば、とても安い買い物である。今のところ、非常に重宝している。

河北潟農場で草刈り

河北潟農場閉園

 「ファーム菜四季(さいしき)」は、我が社の子会社である。石川県の河北潟と穴水に自社農場を構え、南瓜を中心に野菜を生産している。残念ながら、このうちの河北潟農場がこのぬたび閉園することになった。

穴水農場は事業継続

 農業を黒字経営化するのは極めて難しい。それは設立当初から覚悟の上だったが、河北潟は土・水・人すべてにおいて条件が厳しく、このまま継続しても黒字化のメドは立たないと判断した。能登の穴水農場は健在で、むしろこれからが事業の本番だ。南瓜の契約的栽培が軸にあり、アスパラ栽培についても地元農協とタイアップしての事業が推進中である。

草刈り体験

 河北潟農場は借地である。夏に南瓜を収穫した畑は、雑草がかなり伸びていた。借りた地面を返す際は、きれいにしてお返しするのが礼儀。農業にど素人の私だが、農場長に教えてもらい、生まれて初めて草刈機に乗って1時間ほど草を刈った。草刈機を操作しながらいろんなことを考えた。

草刈りしながらの雑感

 昔は草刈りもすべて人力だった。その労働の重さたるや想像を絶する。そして機械開発のなんと偉大なことか。つい先日、刈ったばかりの地がもうこんなに草が生えている。植物の生命力のなんと底強いことか。まして品質の良い野菜を計画通りに作り上げることのなんと難しいことか。今日は涼しく快適だったが、あの灼熱の炎天下、農場のメンバー達はよくぞ毎日耐え続けたものだ。頭が下がる。草刈りマシンに乗って、一直線に草を刈っていくのは、一直線に進むことだけに集中し、雑念がいつの間にか消えていく。これ、メディテーション(瞑想)になってるな…などたわいのないことも含めあれこれ思いをめぐらした。

さらば河北潟農場、そして今後に向けて

 ど素人が最後に出てきてほんの少し草を刈っただけだが、わたしとしては立つ鳥跡を濁さずの思いで、役員の端くれとして少し手伝わせてもらった。
 河北潟農場は金沢市における弊社の農業参入初めて地であり、思い入れは強かった。心情的にはとても残念で、寂しく、悔しいものがある。だが、この経験を必ず今後に活かし、穴水農場の発展に活かしたい。

書評:コンテナ物語

グローバル経済を推進したもの

 私が子供の頃は、輸入品=高額のイメージだったが、今や廉価品、安物がしっくりくる。なぜか。メイドインチャイナは人件費が安いから?いや、それはもう過去の話だ。私の仕事である青果物流通にいたっては、中国産だろうが米国産だろうが、国産よりも価格が安い。その傾向は何十年も昔から続いている。人件費や生産コストより、物流費の激安化がグローバル経済を促したのだ。それはコンテナという〝単なる箱〟の爆発的普及がもたらしたものだ。「コンテナ物語」はその歴史を教えてくれる。

シンプルな仕組みが導く超大規模な経済革命

 物流費の激安化の理屈は非常にシンプルだ。海運業においてコンテナが規格統一され、巨大な港、巨大な船、巨大なクレーンを駆使して超大規模な流通を実現する。仮に商品を世界の端から端まで運んだとしても、1個あたりの運送コストは、トラックがごく短距離を運ぶ運賃よりも安くなる。それも何パーセント下がる、というレベルではなく、何十分の一にまで劇的に。国内流通よりも外国からの船賃の方がずっと安くなるのだ。本書ではその点を詳細な歴史的経緯とデータを披露しながら解き明かす。

伝説の男マルコム・マクリーン

 本書はマルコム・マクリーンという伝説的人物にスポットを当てた大河ドラマとして読んでも非常に面白い。1930年代、彼は20歳そこそこでトラックを一台所有し、運送会社を立ち上げる。やがてコンテナ輸送のアイディアを思いつき海運業「マクリーン・インダストリーズ」を設立する。その後ライバルの業者を次々と買収し、「コンテナ海運の父」と呼ばれるまで成長を果たす。しかし現実は非情だ。この業界はグローバル規模で浮沈が激しく、一世を風靡したマクリーンの会社「シーランド社」は結局たばこ会社に身売りすることになり、「マクリーン・インダストリーズ」も1986年に破産申請している。

流通業者必読の書

 かくもドラスティックな物流革命はもうないかもしれないが、現代はなお、コンテナ流通、パレット形態の進化は止まっていない。折り畳み式、通い式、レンタル、デポジット制など次々新しい概念が登場している。本書は今後ますます複雑に発展していくだろう物流システムの世界に身を置く者にとって必読の書である。

青果物の週間情報 【2021-W38】

■週の概況 第38週 9/13(月)~ 9/18(土)

【全体】

 低温・曇雨天の影響で流通量は少なめであり、葉茎菜類や果菜類の相場は総じて堅調だ。加えて先日、高冷地で雹が降り、白菜やレタスなどがダメージを負って中期的な品薄が予想される。北海道産の芋玉類も不作傾向で高値基調が続きそうだ。一方、さつまいも、れんこん、キャベツ、しいたけ等、潤沢感のある品目も少なからずあるので重点的に売り込みたいところだ。涼しい気候から煮炊き商材は引き合いも良くなることだろう。
 果実は栗、柿、みかんなど秋の食材が顔を出し、梨は赤ナシの優良品種が続々と登場、ブドウ類も大粒系がカラフルに揃い、売り場作りのアイディアには事欠かないラインナップとなる。

【野菜】

 葉茎洋菜類では、ブロッコリーは気温の低下から入荷量は減少し、単価は上げに向かう。レタスや白菜は、雹害や降雨により大きく減少する見込みだ。キャベツは安定しているが、連休需要に伴い価格は底上げが予想される。菜類では、ほうれん草は岐阜産の生育遅れから数量は少なく高値での推移が続く。反対に、小松菜は県内産を主体に入荷も回復していくことから、価格は下がる見込みだ。
 果菜類では、茄子、ピーマンは産地での低温から入荷は少ない模様。太胡瓜はシーズン終盤で数量は少ないだろう。南瓜は需要の高まりを見せ、価格は小高くなる。胡瓜は各産地で微増となる見込み。
 根菜類では、大根は産地での冷え込みから数量は少ない見通しだ。青森産のかぶらは日照不足から肥大が進まず小玉傾向となるだろう。ごぼうは青森産から安定した入荷が見込まれる。玉葱は、小玉で数量も少ないことから前年より高値推移となるだろう。県内産の蓮根、甘藷は順調で例年並みの数量が期待できる。季節商材の百合根は安定した入荷が見込まれる。

【果実】

 国内果実では、ルビーロマンは週後半より隔日販売となり、入荷も終盤へと向かう。県内産の梨では、加賀しずくは14日販売で終了する。豊水、南水に加えて、あきづきも顔を見せる。メロン類では、秋作が始まった石川アールスが前年と比べて小玉傾向で数量は少ない見込み。北海道産のメロンは端境期で入荷は減少するが、静岡産は増量する。巨峰、シャインマスカットはピークを迎え潤沢な入荷が予想される。季節商材では、ハウスみかん、栗の入荷となる。栗は茨城を中心とした関東産と県内産の入荷。県内産は2L中心と例年並みのサイズと数量が期待できる。
 国外果実では依然としてバナナの船舶の遅延が発生している。パイナップルは樹上熟成の長い高糖度系の周年流通が可能となり、今後常時の入荷が期待できる。

金沢マラソンオンライン始まる

スマホで記録するオンライン大会

 昨日から金沢マラソンが始まった。本レースではなく、オンライン大会だ。9月10日から10月10日までの1ヶ月間に、規定の距離を一人ひとりがスマホで記録しながら走る。フルマラソンコースに登録した人なら、期間内に合計で42.195km走れば完走だ。一日で走りきってもいいし、小間切れに何日かけて走ってもいい。

順位のない参加型イベント

 このオンライン大会は順位はつかない。単に申込み、各自が走るだけだ。でも規定距離を走破したかどうかはちゃんと大会本部にデータが届き、完走者には記念品が送られることになっている。ちょっとした参加型イベントだ。

新設のウルトラマラソンコース

 昨年は本レースが中止になり、このオンライン大会のみが行われた。今年は10月30日に本レースも行われる予定だ。私は今年、両方ともにエントリーしている。オンライン大会でのコースはウルトラマラソンコース。フルの2倍以上、100kmを走らなければならないコースだ。ウルトラは、今年新設された第一回目のコースである。

ウルトラでも楽々

 ランニングをやらない人にこのことを言うと「すごい!」と驚かれる。だが、所詮30日のうちに合計100km走るだけなので全然すごくない。本当のウルトラマラソンなら1日で100km走るのでそれこそすごい世界だが。

ちょい参加気分を味わおう

 オンライン大会とはその程度のものだから、それほど気合を入れてどうこうではない。本レースに向けて、ちょっと楽しい練習機会がもらえた感じだ。コロナがなければ金沢マラソンは倍率何倍にもなり、参加するだけでも難しい大会だ。抽選ではずれた人が、せめてオンライン大会に出て、ちょっとだけ参加気分を味わうにはいい試みと思う。

金沢農業大学 卒業生園地研修(2)

8月12日以来の2回目巡回

 農業大学とは何か、園地研修とは何かについては8月12日のブログで書いた。その時が1回目の園地研修であり、今日が2回目である。今回はオクラの生産者2名、有機栽培ほうれん草の生産者1名の園地を訪問した。

オクラを作って8年

 オクラをメインに作っておられる卒業生お二人は、栽培面でも助け合い、出荷面でも二人分を一緒に車に積んで市場出荷している。同期の卒業生だから構築できた協力関係である。組合等の組織が介在しない個人農家でも、できるだけこうした仲間づくりが大切だ。彼らはオクラを手掛けて早や8年。最初のきっかけは、私の会社の大先輩にあたる方が勧めたことだそうだ。以来、お二人は市場出荷をメインにやってこられた。うちの会社にとってはとてもありがたく、かつ大切にしなければならない生産者である。

オクラ作りの悩み

 なぜオクラを作るようになったか。それは石川県内にこれといったオクラ産地がなかったからだ。鮮度の良さがとりわけ求められる野菜ゆえ、地物が増えればそれだけで差別化できる。その発想は今でも正しいと思う。しかしうまい話ばかりではない。オクラはいいゾという情報が出回り、われもわれもと作り手が増え、一気にオーバーフローになって価格が暴落した。そうなるとオクラ作りは生計が成り立たなくなる。今までなんとか辛抱してきたが、今後またそういう事態が起きるのではとお二人は心配している。

やはり計画性と販路の確保が大事

 経営の不安定さを克服するには事前の計画性と販路の確保が重要だ。今や市場流通でもせり比率は10%を切る。残り9割は共撰個撰に限らず相対販売である。相対では仲卸から先の販路の確保が求められる。販路を確保するには、生産段階から売り先を見つけておくことだ。そこで数量と価格のすり合わせができるならば、生産者の収益が安定する。この商談が成立するかどうかは、ひとえに生産者の計画性にかかっている。そして、生産者とユーザーの間に入ってその話をまとめるプロが我々市場関係者なのだ。

赤オクラ普及を目指す

 今回の生産者は、よくある緑のオクラの他に、赤オクラの栽培を拡大したい意向があった。赤オクラはなんと生で食べる野菜だそうだ。茹でるとどす黒い色に変色してしまい、赤オクラを作った甲斐がなくなってしまうのだそうだ。
 赤オクラは緑オクラに比べ生産に手間がかかる。だが今はまだ認知度が低いので、ほとんど値段に差をつけられない。赤については、こちらももっとプロモーションを仕掛けて、市民への認知度を高めなければならない。

このように、農業大学卒業生の園地に赴くのは、流通を考える上でも非常に勉強になる。やはり現場には足を運ばなければならない。

恐怖!ターゲティング広告

ニトリのイス

 先日、妻と長男が家具量販店の「ニトリ」に行ってイスを買った。別に下調べもせずふらっと店に入り、気に入ったものを買って店を出た。支払いは妻のクレジットカードだったそうだ。直後、長男が自分のスマホを何気なく開いた。なんとそこにニトリの広告が現れ、今まさに見てきたイスの写真が紹介されていた。ただの偶然か、それともテクノロジーを駆使した必然か。妻と長男は驚きを通り越して気味悪さを感じた。

ターゲティング広告

 顧客の興味関心をAIで推測し、ターゲットを絞ってインターネット広告配信を行う手法をターゲティング広告という。もはやSNSでは当たり前だ。だが今回の場合はいったいどういうルートで導き出されたのだろうか。事前になんの検索もせず、急にイスが必要になって飛び込んだだけ。財布は妻のもの。タイミングは瞬時。技術の粋であっても怖いし、偶然であっても怖い。

行き過ぎた情報社会

 技術の粋としよう。ならばこれはやりすぎだ。そこまでお節介はしてくれるな。もっとゆるやかに我々と距離も取ってくれ。自分自身が巨大な情報産業にコントロールされているようで気分が悪い。販売系でなくても、程度・加減をあえてつけてほしい。YOUTUBEなどは観たい動画が自動的にラインナップされる。完全にコントロールされているならば、超一面的なコンテンツばかり見せられていることになる。大袈裟に言えば洗脳だ。情報社会は行き過ぎている。あえて歯止めをかけるのが人間の知恵だ。そしてあえて距離を取るのは個人の裁量だ。SNSやインターネットとはよくよく注意して相対するようにしたい。