JA小松市の春トマトが始まる

小松産の春トマト

 本日、石川県小松市の春トマトの初せりが行われた。JA小松市は、みゆき地区を中心とする石川県最大、いや北陸最大のトマト産地だ。金沢市場では愛知県産に次ぐ年間第2位の産地である。作型は春と夏秋の2シーズンあって、今回はもちろん春作の初入荷である。春トマトの生産農家は今年は34人とのこと。6.6haで栽培され680トンの生産を目標とする。6月上旬からピークを迎え、7月まで出荷が続く予定だ。

部会長の新道さん

JA小松市野菜総合出荷場

 今年の大きな話題は、昨日10日に完成した「JA小松市野菜総合出荷場」である。32年ぶりの完全新築で、小松市の主だった野菜は今後この集出荷場に一元集約されることになる。特にトマトは、箱詰めロボットが箱を組み立て、ロボットアームでトマトを吸い上げ、自動で箱詰めしていく。集荷から出荷に至るまで全自動だ。ここまで徹底したシステム化は全国でも珍しいという。総工費は12億円超とのことだ。
 この最先端の技術によって、今まで以上に厳格な選別と安定した保冷・パレタイズが実現する。JA小松市の茂岩(しげいわ)さんは「従来の人による手詰めと比べ、サイズ・等級の揃いが格段に向上する」と述べる。

トマトと千石豆

 JA小松市トマト部会の新道(しんみち)弘章部会長によると、生育は非常に順調に来ているとのことだ。部会長はトマトの他にも小松市特産「千石豆」の生産者でもある。千石豆も昨日から販売がスタートしたばかり。栽培がかぶって大忙しだ。トマトは石川県の基幹産業であり、千石豆も加賀野菜「つる豆」(中身は同じで呼び名が違うだけ)の生産が伸びない中では欠くべからざる存在である。なんとか両品目とも充実した生産・出荷となるよう頑張っていただきたい。

青果物の週間情報 【2021-W20】

■週の概況 第20週 5/10(月)~ 5/15(土)

【全体】

 GWの動きを振り返ると、前半は人手も多く青果物販売はまずまず活発だったが、後半は早々に帰途に就く観光客が目立ち、消費も失速した感がある。その流れを受け、GW明けは残念ながら荷動きの悪さが顕著である。石川県のコロナ感染も過去最多を更新する日々で、時短営業の早期解除は望めず。外食業務筋は更に厳しい環境だ。
 この週の産地状況は、概ね順調な見通しである。野菜も果実も1週間前後の早期スタート・早期切り上がりを見せる品目が多い傾向で、前段産地も後続産地も同様な傾向であることから大きな端境は生じず、結果として順調な入荷となる。前倒し傾向は、3月までの気温が高く、開花が例年より早かったことが理由に考えられる。今後出てくる夏果実にもこの影響は出るだろう。この週はラッキョウ、梅などが季節商材として登場し、果実では温室ぶどうが始まる。

【野菜】

 葉茎洋菜類では、レタスが兵庫産の終盤に差し掛かり入荷は減少傾向へ。キャベツは降雨の影響で前週から一転して上げ基調が見込まれる。白菜は茨城産と長野産の切り替わりが遅れ、端境の可能性。菜類では水菜の若干の品薄感が見られる。
 果菜類は、胡瓜、ナス、長ナスは各産地潤沢な入荷だ。トマトも県内産のJA物の入荷が増加傾向にあり販売拡大が見込まれる。豆類ではJA小松市の千石豆が微増し、そら豆、いんげん、砂糖えんどうなど種類も増加傾向となる。
 根菜類は、人参は岐阜産の入荷が例年より早くスタートし、徳島産は終盤。筍はJA金沢市の入荷も終わり、例年になく少ない量でのフィニッシュとなった。らっきょうは高知産が徐々に増加となる見込み。梅が週末から翌週頭にかけ始まる。

【果実】

 国内果実では、メロン類・スイカがメイン。メロンは茨城産メインにアンデス系、赤肉系の入荷で愛知のイエローキングもピークを迎える。アールス系は静岡産の入荷が少なく堅調だ。スイカは大玉傾向で数量増が見込まれるが、西日本の梅雨の状況次第で今後の展開は不透明である。施設物では、和歌山産の桃が目新しい。天候次第で、ぶどうも山梨産をメインに入荷がスタートする。桜桃は引き続き安定した入荷となるだろう。
 国外果実では、バナナは保合で価格推移するが、慢性的な入船の遅れも影響し、徐々に強含みとなる。アメリカンチェリーは前年より豊作傾向で早生種の入荷。NZ産キウイは、ゴールド、グリーン共に安定した入荷が続く。シトラス系、アボガドも安定した入荷が見込まれている。

感染防止策に超増税はどうか

石川県の一日の感染者80人

 昨日一日の石川県の感染者が80人と報道され、地元民に衝撃が走った。ゴールデンウイークは若い観光客を中心にかなりの人手で“大丈夫か”と誰もが心配していたが、やはり一気に感染が進んでしまったようだ。主に新型株であろうから、大坂の例を見るまでもなく、早急な収束は難しいだろう。石川県も緊急事態宣言が近く発令されるかもしれない。

今、コロナはどのポジションなのか

 人類史上初めての体験であり、いったい今の状況は危機なのかまだまだ軽症なのかがわからない。だから常に世間はオロオロしたり騒いだり。でも一部の市民はまったく欲望のままに行動を続け、一向に事態は好転しない。政府の対応も人々の行動変革もずっと後手後手だ。日本人は実直な国民性だという評価は怪しいものである。

業者ではなく、一般市民をいじめよ

 緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の適用は、コロナ対策には必要なことかもしれないが、そこで苦境に立つのはいつも業者側である。人が多く市中に溢れるから感染が拡大するのであり、あくまでも行政指導の目的は人出を減らすことであるはず。ならば業者ではなく一般市民の方に制約や罰則を課すのが本当だ。だが、人権への配慮か法律の規制のためかそれができない。

飲食料、サービス料を大幅値上げする!

 そこで提案だ。時短やら休業要請ではなく、お客への料金をぐんと高くするのはどうか。料金が倍か三倍にでもなれば、利用客は激減する。飲食業に限定する必要もなくなる。酒は10倍ぐらいにすればよい。その制度に従わない業者が安い値段のまま営業を継続し、客がその店に集中するといけないので、特別税金の形で値上げする。緊急事態宣言中だけ消費税を100%にするような感じだ。その増収部分を業者への助成金の原資に充てる。人々の移動を制限するため、観光業や鉄道会も対象とする。

人為的景気後退策

 言わば人為的な景気後退策だ。景気回復策を打つのは難しいが、後退させる策を打つなど(前代未聞ながら)きっと行政はお手の物だろう。業者をいじめるのでなく、人手をコントロールする策を考えるべきと思う。

令和3年GW振り返り

GWを振り返る

 ゴールデンウイーク(以下GW)は、卸売市場にとって年間で3番目の書き入れ時と昔は言われていた。1番は年末、2番はお盆直前である。要するに長いお休みは人々が帰省したり、家族親戚で美味いものを食べたり、そのために買いだめに走ったりと消費がぐっと伸びるということだ。一応、今季のGWを振り返ってみる。

異常時のGW

 とにかく異常時である。二年前、金沢は空前の観光ブームで、宿はどこも取れなかった。昨年はコロナ元年で撃沈した。そして今年はまだまだコロナ健在である。二年前とは比較にならない。苦しい中でも昨年と比べどうだったか、という視点しかできないのが悲しいところだ。

全体から見れば昨年並みだが…

 結論からいうと、昨年よりは業務は若干回復。スーパーはダメ。全体的には昨年並み、という感じだ。GWの前半はまずまず良かった。市内の人出はものすごく、このご時世で都会から来る人たち(主に若者)は一体何を考えているんだと訝しんだほどの賑わいだった。よってここで業務がある程度前年オーバーとなった。仲卸業者も忙しかった。しかし、GW後半は失速した。5日までがGWだが、3日あたりになると帰る人が多かった。早めに日常に戻りましょうという空気が強かったようである。

発想の転換が必要

 昔は、青果物は、GW一杯をモガキ(需要が供給を上回り、品不足で価格は上昇傾向となる)で通し、明けたら一気に下げるのが常だった。近年はそれが平準化し、GW前も大して騒がず、価格変動も穏やかに過ぎ、明けてもそれほど暴落しない傾向が強い。今季はどうだろう。GW後半に失速し、その停滞感を引きずっての明けである。在庫を抱え、ものが動かない中苦しんでいる業者が多いのではないか。GW前にさして上げきらず、しかして明けたら暴落では最悪の上塗りになる。かなり心配な部類だ。青果物という生もの商売には“流れ”というものがある。時間が経つと劣化して売り物にならなくなるので、需要と供給のバランスが刻々と変化し、そのため値段も変わる。ロスも出る。マイナスが出る時期があるのは仕方ないが、その分取り返せる時期がなければ年間を通して帳尻を合わせられない。しかしその“取れる時に取る”という機会が年々少なくなっている。だからこの業界は川上から川下までが連携して、発想を転換する必要がある。川中の卸売市場だけが躍らせる愚を犯してはならない。

金沢農業大学の支援チームに就任

金沢農業大学支援チーム

 このたび私は、「金沢農業大学」の支援チームの一員に名を連ねることになった。金沢市が運営するこの人材養成機関は、金沢の農業にとって、かつ、わが市場流通にとって、将来的に大きな意味を持つと思っている。開設以来、今日までで約15年の実績を積んできたが、僭越ながらまだ真価を発揮できていないと思う。ここから育つ新規就農者が、未来の地域農業の中核になる可能性がある。そのために、流通代表として、いくらでも力になる所存だ。

金沢農業大学とは

 金沢農業大学は、金沢市の農業の担い手を育成するため、平成18年3月に金沢市が開設した公的機関だ。これまでに110人超がここで農業を学び、担い手として巣立った。生徒は10代から60代まで幅広い年齢層にまたがっている。大学といっても立派な校舎があるわけではない。拠点は金沢市が運営する農業研究施設「金沢市農業センター」だ。ここで2年間のカリキュラムをこなす。特に、金沢市のブランドである「加賀野菜」の栽培に力を入れ、プロの農業者を要請する。

研修内容

 具体的には、栽培技術の講義、実習、営農計画のノウハウ、市場見学、篤農家からの特別指導など。年間100日程度はこうしたカリキュラムで消化され、自分が育て上げた収穫物は「金沢市農業センター」が荷主となって金沢市中央卸売市場に出荷。わが社がせりで販売する。
 これだけ至れり尽くせりの内容を享受できて、研修費用はなんと無料である。農作業で着る雨合羽、長靴、軍手は個人負担だが、その程度は当たり前だろう。逆にそれ以外はすべて無償で貸与されるというから手厚いと思う。研修期間中の傷害保険も、市が一括で加入するのだそうだ。

終了生の現状

 終了生110名超のうち、現在も専業又は兼業で農業を続けている人は8割弱だそうだ。多いともいえるが、2割強も断念してしまったと言える。農業は技術を身につけるのも大変だが、独り立ちして経営・生活を維持していくことがさらに大変であるという証だ。だから、現在の農業大学は現役研修生1、2年生への教育もさることながら、終了生に対するフォローアップを重点課題に置いている。

我が社そして私自身の存在意義

 我が社及び私自身が大いに気張るべきはまさにそこだ。大学を終了し巣立っていく人材の一番頼りになる販路、または販売アドバイザーにならなければならない。私自身は栽培技術をまったく持ち合わせていない。あくまでも流通側の人間に徹し、彼らが農業従事者として充実した一生を過ごせるよう、力にならなければいけない。それは我が社の存在目的そのものである。

高齢者へのワクチン予約、電話が全然つながらん!

本日、予約開始だが…

 金沢市では今日5月6日より、65歳以上の人のコロナワクチン接種予約が始まった。私の両親が対象者であり、父は私が、母は妻が代わって予約を試みた。
 心配していたことが当たってしまった。かかりつけの医療機関にまったく電話がつながらない。コールセンターへの電話や、LINEを使った「金沢市LINE公式アカウント」も試したが、父の行きつけの病院は選択肢に入っていなかった。

母の病院はキャンセル待ち

 結局、午後になって妻の電話が母が通う医院につながったものの、もうキャンセル待ちしかなかった。キャンセル待ちとはどういうことか。接種開始後しばらくは、供給されるワクチンの量が限られ、とりあえず確定分だけ予約を受けたということか。だとすると、供給体制が整うまでは、いくら電話をかけても空振りするだけとなる。

父の病院は外線と内線の二重の壁に阻まれる

 父の病院には夕方近くにようやくつながった。しかし「予約窓口係につないでみます」と言われ、保留で待たされること1分。結局「すみません、予約窓口が今殺到してつながりません。時間を空けてかけ直してください」とのこと。おいおい。そんな病院内回線でも待たされ、挙句にダメでしたってどゆこと?「え?次もこの電話番号でいいのですか?」との問いには「はい、その番号でしか受け付けておりません」。一旦切って、またかけ直す。その後は再び、延々と話し中の「プー、プー」に付き合わされた。結局、今日は電話をつなげることができなかった。

想像力不足の行政

 金沢市のHPには、5月最終週から十分な量のワクチンが届くことになっており、接種は必ずできる、とある。そこは信じたい。しかし、今行っている電話のかけ直しが実はまったく無駄かもしれないのに、何千人(何万人?)もの人が未だに電話をかけまくっている状況のなんとバカげたことか。
 今日の夕刊には、ある医院を例に「5月中の予約枠(一日5人)はすぐに一杯になった」とある。予約枠ってそれっぽっちなのかとまずびっくりだ。さらに思う。じゃあその後の何時間にも及ぶ電話かけまくりは全部無駄ではないか。かける方も受ける方も時間と労力のムダ。小さな医院は、それだけで電話回線がパンクし、通常の患者さんからの電話に支障をきたした。言っちゃ悪いが、この混乱は行政の想像力不足が招いていると思う。
 初めてづくしで行政側も大変なのはわかる。しかし、コロナ禍における手続きの不手際は枚挙にいとまがない。定額給付金の申請の際も、ネットの方が登録・給付に時間がかかった。このたびのワクチン接種にしても、数週間前にカラー刷りの案内文書が封書で届いたが、言葉足らずで問い合わせが殺到した。慌てて(?)新聞紙上で追加説明の公告が出たが、今思うとその内容も十分ではなかった。今回、電話予約という旧態依然の方式で、このような混乱が起こることは十分予測できたはずだ。

金沢マラソンのスタッフに期待!?

 余談だが、金沢マラソンのエントリーシステムは極めてスムーズである。方法は年々進化し、公平な抽選手法と、金にモノを言わせて出走権をゲットする現実的手法(笑)を併せ持つ。当選しようが落選しようが納得性が高い。ワクチンもマラソンも同じ金沢市の仕事ではないか。金沢マラソンの実行委員がこのたびのワクチン予約の業務を受け持っていたら、今日のような混乱は回避できたのではなかろうか、とふと思った次第。

16時間断食実践中

 16時間ファスティング、16時間ダイエット、8時間ダイエット、リーンゲインズダイエットとも呼ばれる方法を試している。
減量法でもあり、健康法・食事法でもある。
“16”は16時間は食べてはいけない、”8″は8時間の間で食べてよいという意味であり、数字は違えど同一の内容である。

●方法

・毎日、16時間の空腹時間を作る。
・寝る時間も換算していいので、例えば午後8時に夕食を終え、11時に就寝、7時起床、正午まで基本的に物は食べないというスタイルで16時間の絶食となる。
・水やお茶は飲んでもよい。
・16時間の間、ナッツ類(素焼き)は食べてもいい。ヨーグルトもOK。
・16時間経過後は何をどれだけ食べてもよい。

●効果

・体重が減る。特に下っ腹をへこますのに効果的。
・16時間の経過すると、体内の細胞が入れ替わる”オートファジー”が発令し、体の内側から若返り、肌つやがよくなり、アンチエイジングの効果が得られる。

補足情報

日本人の大昔の生活パターンは2食であり、3色は西洋の食習慣を輸入したものだ。
3食だと胃腸が働いている状態が一日中続き、内臓の疲労が様々な生活習慣病を生み出す。
3食を普通に食べればそれだけで一日の必要摂取カロリーをオーバーしてしまうので、現代人は肥満化傾向となる。
そこで食生活スタイルを2食に戻し、体内の自浄作用を目覚めさせる。
これにより老年となっても若々しい肉体と精神を維持できる。

以上がこのダイエットの理屈である。
知ったきっかけはYOU TUBEでDaigoと中田敦彦の双方が推奨していたことによる。
今でも若干疑心暗鬼だ。
一日三食、特に朝食をしっかりとるのが健康的な食生活の基本というのが常識的だ。
16時間ダイエットは完全に真逆の教えである。

試し始めて3ヶ月ほど経過した。
体重は4kg落ちた。
体調はすこぶる良好である。
頭の切れも悪くない。
気のせいか肌は以前よりしっとりすべすべ感が強い(笑)。

まだ結論付けるには早いが、今のところ悪くない。
目標体重 60.0kg(現時点であと1kg)
目標健康指数 CEA値以外は正常値を示すこと(血圧、血糖値、コレステロール値等)

となみチューリップフェアに行く

5月4日に行ってきた

 今日、妻を誘って「となみチューリップフェア」に行ってきた。正直、私自身はこのイベントにほとんど興味がない。行っても別に楽しいと感じない。花を愛でる感性が欠落しているのだ。かといって嫌というわけでもない。暇で誘われればじゃあという感じだ。そんななのに、私の方から誘ったのは、数日前に妻がポロッと「行きたいな」と言ってたのを思い出したからだ。私は最近仕事などで帰りが遅く、家事手伝いが全然できなかったので、その罪滅ぼしの意味が入っていた。

となみチューリップフェアとは

 チューリップフェアは今年で70回を迎える。1951年(昭和26)が第一回というから、もはや富山県砺波市の伝統的なお祭りである。「砺波チューリップ公園」をメイン会場に300品種300万本のチューリップが色鮮やかに咲きそろう。チューリップは江戸時代にオランダから日本に伝わり、1918年(大正7)に現・砺波市にあたる庄下(しょうげ)村で栽培が始まった。日本で初めてチューリップの品種改良に成功したのも砺波市だ。富山県の県花にも指定されている。

コロナ対策

 今日は汗ばむほどの暖かさで晴天だった。最近は天気が悪い日が多く、明日も予報は雨だから、今日がおそらく絶好のチューリップ日和だ。私の住む石川県金沢市から富山県砺波市までは高速使って30分。GW真っ只中だが渋滞もなく、駐車場にもスムーズ入れた。入場券は大人1300円で、人の集中を避けるため日時指定となっている。入場口では一人ひとり検温され、住所氏名を書かされた。コロナ対策の一環である。

GWに焦点をあてた苦労

 会場の中はそれなりに多くの人々で賑わっていた。(それでもコロナ禍で例年より少ないのだろう。)新しく建設が完了した2基目の「チューリップツリー」や花の回廊「花の大谷」が人気を集めていた。観ていて今更ながら気づいたことがある。チューリップの開花時期は一般的には4月だ。GWは遅咲き品種を除き本来の旬よりも遅いのである。実際、会場内にはかなりしおれた花も少なくなかった。業者らは開催期間中、温度管理・入れ替え作業など多大な努力と苦労を重ねてイベントを支えていると推測される。そして、おそらく、できるだけ元気なチューリップを観たいならば、開催早々に来たほうがいいのだ。

一生を通じてのイベント

 私自分、幼い頃に1度か2度連れて行ってもらった。その時は母と一緒。その約30年後、結婚し子供を連れて何度か行った。この時は妻と子が一緒。それからまた長い間を空けて今日行った。妻と一緒。回数はしれているが、我が人生50年以上にまたがって見物していることになる。願わくば次は孫を連れて行きたい。それにはまず息子が結婚してくれなければならないが。私は、チューリップそのものには興味を持てない無粋者だが、大切な人と時間を共有できる場として、チューリップフェアをこれからも大切に考えたい。一生を通じて存在し続けてくれる貴重なイベントである。

青果物の週間情報 【2021-W19】

■週の概況 第19週 5/3(月)~ 5/8(土)

【全体】
 GW真っ只中から明けるまでの一週間です。大都市圏は緊急事態宣言発令中であり、石川県も時短営業になりました。昨年のGWと状況的には近いものがあります。やはり業務用野菜やフルーツギフトの動きは止まるでしょうし、いわゆる“巣ごもり需要”でスーパー、青果店の一般野菜はある程度動くと期待されます。ただ自粛ムードのマンネリ化で人々の消費マインドも疲れが見え、昨年同様の成果は難しいかもしれません。GW明けの市況展開は、GW中の消費次第です。消費が伸びれば明けも動きは活発に展開しますが、停滞するならば市況がガタ落ちする可能性もあります。GW中は天気が良いに越したことはありませんが、現時点では微妙です。
 産地動向としては、4月下旬にまとまった雨が降ったため、キャベツやレタス、山菜類、ダイコンなどは当初の予定より少ない入荷となり、相場も少し浮上する可能性がありますが、それ以外は概ね順調な出かたとなるでしょう。ただし地物のタケノコは当初の思惑より大きくショートし、このまま終了に向かっていく恐れが強くなってきました。

【野菜】
 葉茎葉菜類は、ブロッコリーは長崎・高知県産の入荷。高知県産は終盤に差し掛かります。レタスは減少傾向となり引き続き強含みが見込まれます。キャベツはGW需要も落ち着き価格は下げに転じます。高値推移が続いていたネギも、茨城県産の初夏ネギも始まり数量も安定する為、相場はやや下げ基調。菜類は数量も増加し安定した入荷となりそうです。
 果菜類は、胡瓜は各産地安定した入荷となります。ナス、長ナスも増加し安定した入荷が予想され価格は下げ基調に転じます。トマト、ミニトマトは安定傾向。豆類では、週後半頃より県内産の千石豆がスタートします。他産地の豆類は、端堺期も明け徐々に入荷は増加するでしょう。山菜類は、県内産が切り上がり始め入荷は減少します。
根菜類は、人参は徳島県産の本格出荷に入り安定した入荷が見込まれます。ダイコンは千葉県産は前進出荷の影響もあり数量の減少が見込まれます。レンコン、さつまいもは県内産が残量の出荷となり強保合。里芋は鹿児島離島物の入荷となります。牛蒡は高値推移が長く続いていましたが、高値疲れが見られます。筍は裏年の為、量が少なく切り上がりが早いことに加え、前週の降雨の影響で数量はさらに少なくなり、引き合いは強くなり数量確保の苦戦が予想されます。馬鈴薯は長崎県産が主力に安定した出荷になります。高知県産のらっきょうがスタートし徐々に増加する見込みです。

【果実】
 国内果実では、GW以降も母の日需要もあり、静岡・高知県産のアールス系、茨城・熊本県産のアンデス系、赤肉系メロンは堅調な価格推移が見込まれます。茨城県産は安定した入荷、熊本県産は赤肉系が増加傾向です。マンゴーは積算温度が不足し、数量の確保に苦戦しそうです。スイカは熊本・高知・群馬(小玉西瓜)となり、メインの熊本県産は2L中心と若干大玉傾向になります。イチゴとりんごは前週並と安定した入荷状況。施設物の佐藤錦と紅さやかは前進出荷ながらも、降雪による施設の倒壊の影響から今年の入荷量も厳しくなることが予想されます。
 輸入果実は、バナナは台風による入船の遅れが若干見られますが、入荷に大きな影響はなく安定した販売となります。NZ産キウイは、グリーンは中玉サイズも増加、ゴールドは大玉傾向ですが、それぞれ安定した入荷が見込まれます。アボガド、ぶどう類も安定した入荷となります。シトラス系は前週と同様の入荷。マンゴーはマハチャノ種に切り替わりとなりますが、入荷は遅れ気味で次週の入荷となる見込みです。

私だけの「力道山伝説」他:書評

プロレス本3冊

 泉野図書館から3冊の本を借りた。
①力道山対木村政彦戦はなぜ喧嘩試合になったのか(2015年)
②私だけの「力道山伝説」(1995年)
③プロレス発『加賀☆能登』行きエキスプレス(1991年)
著者は3冊とも石田順一氏である。

力道山評論家

 昨日のブログで書いた書評:「近江町市場三百年史」の編集者である石田順一氏である。彼はここ石川県では知る人ぞ知る「力道山史研究家」である。力道山史研究家。この肩書きの方は、日本に何人いるのだろうか。もしかしたら氏お一人だけかもしれない。石田氏は長年、金沢中央信用組合の重役というお立場であり現在は参与だ。本業の傍ら、近江町市場の歴史を研究をはじめ地域の歴史、民俗芸能など多方面での調査・執筆活動をされてきた。中でも一番力が入っていたのが日本のプロレス史、特に力道山の研究である。

プロレスショップのオーナー

 氏は小学校3年生の頃にテレビで見た力道山に多大なる影響を受ける。その2年後には力道山は死亡するので、氏が観戦したのはたった2年間だ。しかしその後もずっと忘れられず、力道山に関する読み物を集めまくった。その情熱が高じ、昭和60年4月にはプロレスショップ「プロレス屋」をオープンさせるに至る。小立野の自宅にだ。この場所は商業地でもなんでもない、ひと気の少ない裏通りである。石川県という地方の、へんぴなところにプロレスショップがあるという噂は、当時東京で女子プロレスの営業をやっていた私の耳にも入っていた。実家から近いなぁ、どこぞの物好きがやってんのかなぁと気にはなっていたが、ついに訪れる機会はなかった。
 そのプロレス屋の店長さんが、あの近江町研究家で、本業は我が社にも関係深い金融機関である。この糸が結びついたのは実はほんの最近のことだ。つくづく人にはいろんな顔があるもので、どこでどう縁がつながってくるのかわからない。

ファンによる歴史書

 本を読ませていただいた。敬服した。これは純粋に力道山ファンによる歴史書である。ファンのファン目線によるファンのための本だ。リンカーンのゲティスバーグ演説のプロレスファン版だ。
 いわゆるプロレス本の多くは、業界人の執筆による。プロレスマスコミであったり、選手本人であったり。なので、あの試合の舞台裏はこうだった、といった裏話的な書物が多く、それが行き過ぎて(?)、昨今は誹謗中傷、暴露のオンパレードの様相を呈している。
 しかし、石田氏の本はそれらとは一線を画する。当時の試合結果、新聞記事、雑誌等を丹念に丹念に拾っていく。全ては表に出た情報の集積である。そして、自らの推測めいた考えはほとんど書かない。それでも不思議だ。何十にもオブラート包まれたプロレス記事からは真相は伺い知れないと思いきや、なんとなくコトの真実が浮き出てくるような気がしてくるのだ。「力道山対木村政彦戦はなぜ喧嘩試合になったのか」では、その数年前に増田俊也の名著「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」が出版され、大きな話題となっている。増田氏はプロのジャーナリストである。その超緻密な取材によってかなり裏の裏まで明かされた名著があるのに、石田氏はあくまでもファンの立場を貫く。ファンが知れる範囲の中で乾坤一擲のまとめあげをしている。この姿勢はプロレスファンの鏡と言って良い。

愛情が偉業を成す

 昨日のブログを繰り返す。偉業を達成するのは、ひとえにそれに捧げられた愛の深さだ。この本を読んで学べるのは愛の力である。